産後ピラティスはいつからできる?普通分娩・帝王切開の考え方とやさしい運動3選
産後ピラティスはいつから始められる?
帝王切開のあとでも、自宅でできる運動はある?
産後ピラティスを始める時期は、出産方法や産後の週数だけでは決められません。
胸式呼吸のように体を大きく動かさない運動と、通常のピラティスレッスンでは体への負担が異なります。
出産後の経過や今の体調に合わせて、段階的に始めることが大切です。
この記事では、普通分娩・帝王切開後に始める時期の考え方、期待できること、注意点、自宅で試しやすい3つのやさしい運動を紹介します。
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産後ピラティスで期待できること
一般的なピラティスとの違いと、産後に取り入れる目的を整理します。
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普通分娩・帝王切開後に始める時期
週数だけで決めず、軽い運動とレッスン再開を分けて考えます。
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運動を控えて相談したい目安
悪露、痛み、発熱、創部などの確認点が分かります。
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自宅で試しやすい3つの運動
呼吸と小さな動きを中心に、手順と注意点を紹介します。
この記事の
監修者
鈴木 直子
(すずき なおこ)
pilates指導歴19年。
2018年マシン専門ピラティススタジオ『pilates K』を立ち上げ。
現在はpilatesK ・pilatesKsmartのトレーナーとして、
全国109店舗(25年9月時点)に在籍するインストラクター育成や、レッスン開発を担当。
産後ピラティスとは?期待できる3つのメリット

産後ピラティスでは、出産後の回復段階に合わせて負荷を調整し、呼吸と姿勢を確かめながら体を動かします。
骨盤を矯正する治療や短期間で体型を戻すための運動ではありません。
ここでは、まず産後ピラティスの特徴を確認し、続いて期待できる3つのメリットを紹介します。
産後の回復段階に合わせて負荷を調整するピラティス
産後の体は、妊娠前と同じように動けるとは限らず、回復の速さにも個人差があります。
そのため、産後ピラティスでは大きく動くことよりも、楽に呼吸できる姿勢や小さな動きから始めることを優先しましょう。
産後ピラティスは、産後の体調に合わせて負荷を調整しながら、無理のない範囲で取り入れられるピラティスです。
その日の体調に合わせて負荷を調整できることが、産後にピラティスを取り入れるメリットのひとつです。
呼吸に合わせて骨盤底まわりを意識しやすい
妊娠・出産を経た骨盤底まわりは、力を入れるだけでなく呼吸に合わせて緩めることも大切です。
ピラティスでは呼吸を止めずに動くため、息を吐くときと吸うときの体の変化へ意識を向けやすくなります。
骨盤底まわりを意識しやすいといっても、ピラティスだけで尿漏れなどの症状がよくなるとは限りません。
症状が続く場合は、医療機関へ相談してください。
呼吸方法について詳しく知りたい方は、ピラティスの呼吸法を解説した記事も参考にしてください。
抱っこや授乳で崩れやすい姿勢に気づきやすい
産後は抱っこや授乳で同じ姿勢が続き、背中を丸めたり片側へ体重をかけたりしやすくなります。
呼吸や骨盤の位置を確かめながら動くことで、普段の姿勢の癖に気づくきっかけになります。
姿勢を意識することで、抱っこや授乳のときに肩や腰の一部へ負担が集中しにくくなります。
ピラティスだけで改善できるとはいえませんが、姿勢を意識して動くことで、肩こりや腰痛など体の不調の緩和をサポートしてくれるでしょう。
腹部と体幹で体を支える感覚を練習しやすい
産後すぐに強い腹筋運動を行うことは避けて、まずは呼吸を続けたまま腹部や背中で姿勢を支える感覚を確かめましょう。
お腹の中央が大きく盛り上がったり痛みが出たりする場合は、動く範囲を小さくしてください。
腹直筋離開が気になる場合は自己判断で負荷を上げず、医師に相談すると安心です。
※腹直筋離開とは、妊娠でお腹が大きくなるにつれて、左右の腹直筋の間にある組織が引き伸ばされて、筋肉同士の間が広がった状態です。
産後ピラティスはいつから?普通分娩・帝王切開の考え方

「産後何週から」という数字だけでは、安全に始められるかを判断できません。
出産方法や傷の状態、悪露、痛み、睡眠や疲労の程度を確認し、負担の小さい運動から始めましょう。
普通分娩後は軽い運動とレッスン再開を分けて考える
普通分娩後は経過が順調であれば、痛みや出血の増加がないことを確認し、産後数日から胸式呼吸や短い時間の歩行などを始められることがあります。
一方、通常のピラティスレッスンは動きや負荷が大きくなるため、産後1か月健診で状態が回復しているかを確認してから始めるようにしましょう。
会陰の傷や強い痛み、悪露の増加などがある場合は開始時期を遅らせて医師に相談してください。
産後数日からできる軽い運動と、産後1か月健診後に検討する通常レッスンは分けて考えましょう。
帝王切開後は週数だけで決めず医師に確認する
帝王切開は腹部の手術でもあるため、普通分娩後と同じ基準で運動の開始時期を決めないことが大切です。
帝王切開後に産後ピラティスなどの運動を開始するのは、産後2〜3か月以降がひとつの目安です。
ただし、傷の状態や痛みによっては、さらに時間がかかることもあります。
傷の治り方や痛みには個人差があるため、安全な開始時期については医師に確認してください。
ピラティスを始めるときも、腹筋を強く使ったり創部に響いたりする運動は無理に行わないようにしましょう。
産後2〜3か月はあくまで目安とし、創部と全身の回復を確認してから始めることが大切です。
悪露・痛み・発熱などがあるときは運動を控える
産後の体調が優れない日は、予定していた運動を休んでも問題ありません。
- 動くと悪露が増える、または鮮やかな赤色の出血が見られる
- 発熱、強い腹痛、会陰や骨盤まわりの強い痛みがある
- 帝王切開の創部に赤み、腫れ、開き、液体が出るなどの変化がある
- 息苦しさ、胸の痛み、めまい、ふくらはぎの痛みや腫れがある
- 尿漏れや骨盤の重い感覚が強まり、日常生活に支障がある
出血が多い、胸が痛む、息苦しいなど急な異常がある場合は運動を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。
産後ピラティスを安全に行うための注意点
産後ピラティスでは、動きの大きさや回数より、呼吸を続けられることと運動後に症状が強くならないことを優先しましょう。
ここでは、呼吸、体に現れるサイン、指導者へ伝えておきたいことについて紹介します。
呼吸を止めて強く踏ん張らない
難しい動きを頑張ろうとして息を止めると、腹部や骨盤底まわりへ必要以上に力が入りやすくなります。
会話ができないほど息が上がる場合や呼吸を続けられない場合は動く範囲を小さくしてください。
息を止めないと保てない姿勢は、今の体には負荷が強いサインと考えましょう。
お腹の盛り上がりや骨盤の重さを見逃さない
動いたときにお腹の中央が山のように盛り上がる場合は、姿勢を戻して呼吸が楽にできる方法へ変えます。
腟まわりの重さや下がる感覚、尿漏れ、痛みが強まる場合も、その日の運動は中止してください。
症状が続くときは自己判断で運動を続けず、医療機関に相談しましょう。
出産経過と現在の症状を指導者に伝える
スタジオやオンラインで指導を受ける場合は、出産方法、産後の週数、現在の痛みや悪露、医師から受けた指示を先に伝えておきましょう。
産後の指導経験があるか、負荷を下げる方法を案内できるかも確認しておくと安心です。
産後の体調に合わせて動きを変えてもらえるレッスンを選びましょう。
自宅でできるやさしい産後ピラティス3選
医師の許可が出て、痛みや出血もない場合は、呼吸と小さな動きから試してみましょう。
ここでは、自宅で姿勢を確かめやすい3つの運動を紹介します。
| エクササイズ | 主に確かめること | 大切なポイント |
|---|---|---|
| 胸式呼吸 | 肋骨の横・後ろへの広がり | 肩をすくめず、苦しくない呼吸を続ける |
| ペルビックチルト | 骨盤の前後の小さな動き | 腰を床へ押しつけず、力まない範囲で行う |
| キャット&ドッグ | 呼吸に合わせた背骨の動き | 腰だけを大きく反らさず、痛みのない範囲で行う |
胸式呼吸で肋骨の動きを確かめる
胸式呼吸は、肋骨が横や後ろへ広がる感覚を確かめるピラティスの基本的な呼吸法です。
肋骨の動きを感じながら呼吸することで、肩まわりの力みに気づき、体幹を無理なく支える感覚をつかみやすくなります。
仰向けがつらい場合は、背もたれのある椅子へ座って行いましょう。
- 1楽な姿勢をつくる
仰向けで膝を立てるか、椅子に座り、首と肩の力を抜く
- 2両手を肋骨へ添える
手のひらを肋骨の左右に当て、力を入れずに触れる
- 3肋骨の広がりを感じる
鼻から息を吸い、肋骨が横や後ろへ広がる感覚を確かめる
- 4細く長く息を吐く
口から無理なく息を吐き、肋骨が内側へ戻る動きを感じる
深く吸おうとして肩をすくめないように気をつけましょう。
ペルビックチルトで骨盤を小さく動かす

ペルビックチルトは、仰向けで骨盤を前後へ小さく動かすエクササイズです。
腰と骨盤の位置に気づき、下腹部で姿勢を支える感覚を確認しやすくなります。
- 1仰向けで膝を立てる
足を腰幅程度に開き、肩と首の力を抜く
- 2息を吐きながら骨盤を傾ける
骨盤を小さく転がし、腰の下の隙間を少し狭くする
- 3息を吸いながら中央へ戻す
腰の下に自然な隙間ができる位置まで、ゆっくり戻す
腰を床へ強く押しつけず、骨盤を心地よく動かせる小さな範囲で行います。
キャット&ドッグで背骨をゆっくり動かす

キャット&ドッグは、四つ這いで背骨を丸めたり伸ばしたりすることで、背骨全体の動きや骨盤の傾きを意識しやすくするエクササイズです。
帝王切開の創部に違和感を覚える場合は、無理に行わないようにしましょう。
- 1四つ這いになる
手は肩の下、膝は股関節の下へ置き、背中を長く保つ
- 2背骨をゆっくり丸める
息を吐きながら、おへそを見るように背中全体を丸める
- 3背骨全体を伸ばす
息を吸いながら胸を前へ向け、腰だけでなく背骨全体をゆるやかに伸ばす
腰を大きく反らす動きは避けて、呼吸を続けられる範囲で背骨全体を動かしましょう。
3つの運動の途中で悪露が増える、腹部や骨盤に痛みが出る、めまいや息苦しさがある場合はその場で中止してください。
産後ピラティスについてよくある質問
自宅とスタジオの選び方、子連れ利用、腹直筋離開について簡単に回答していきます。
自宅とスタジオはどちらが向いている?
自宅、オンライン、スタジオの特徴を比べて、体調とサポートの必要性に合う方法を選びましょう。
- 向いている人:短い時間から自分のペースで試したい人
- 確認したいこと:体調の変化を確認し、無理な動きを避けられるか
- 向いている人:移動せずに指導を受けたい人
- 確認したいこと:画面越しでも産後の状態に合わせて動きを変えられるか
- 向いている人:姿勢やフォームを直接確認してもらいたい人
- 確認したいこと:産後の指導経験と利用できる時期や条件
自宅では、この記事でも紹介したような簡単なエクササイズから始めて、体調を見ながら少しずつ取り入れましょう。
YouTubeなどの動画を参考にする場合も、産後向けの内容かを確認し、難しい動きは避けてください。
子連れで通う場合は何を確認する?
子連れや託児への対応は施設ごとに異なるため、予約前に必ず確認してください。
利用できる子どもの月齢、託児の有無、授乳やおむつ替えの場所、途中退室の可否を聞いておくと安心です。
移動や授乳で疲れている日は、レッスンへ行くこと自体が負担にならないかも考えましょう。
腹直筋離開が気になる場合もできる?
腹直筋離開があっても行える運動はありますが、お腹の中央が盛り上がる動きや、息を止めて強く力む動きは避けてください。
お腹の中央の盛り上がり、痛み、腰や骨盤の不安定感が気になる場合は、自己判断で腹筋運動を増やさないでください。
お腹の状態が気になる場合は、無理に運動を続けず、出産した医療機関で相談しましょう。
無理のない範囲で産後ピラティスを始めよう
産後ピラティスは、呼吸や姿勢に意識を向けながら、回復段階に合わせて体を動かせるエクササイズです。
普通分娩・帝王切開とも、産後の週数だけで判断せず、出産後の経過と現在の体調を優先してください。
まずは胸式呼吸、ペルビックチルト、キャット&ドッグのうち、痛みなく行える動きから試しましょう。
ポーズや痛みなど不安があれば、インストラクターの指示のもとスタジオのレッスンを受けるのも一つの選択肢です。
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