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ピラティスで更年期の不調はケアできる?症状別の期待できる効果を解説

「ピラティスは更年期症状に効果はあるの?」
「更年期症状のケアは自宅ピラティスでもできる?」

更年期の不調は、ピラティスで「治す」のではなく、呼吸・姿勢・体幹を整えてつらさの軽減をサポートすることが期待できます。

目安は週2回からで、まずは8週間ほど続けると睡眠やこり感などの変化を評価しやすいとされています。

ただし、症状が強い場合や病気が隠れている可能性がある場合は、運動より医療面からの評価を優先しましょう。

この記事では、ピラティスによって期待できる効果とできないこと、気になる更年期症状・セルフチェック、自宅でできる簡単なポーズについて解説していきます。

この記事の
監修者
鈴木 直子
(すずき なおこ)

監修者(鈴木直子の顔写真)

pilates指導歴19年。
2018年マシン専門ピラティススタジオ『pilates K』を立ち上げ。
現在はpilatesK ・pilatesKsmartのトレーナーとして、 全国109店舗(25年9月時点)に在籍するインストラクター育成や、レッスン開発を担当。

ピラティスで更年期の不調はケアできる?期待できる効果とできないこと

更年期の不調は、ピラティスで「軽くする・付き合いやすくする」ことは期待できますが、原因そのものを治療する手段ではありません。

大切なのは、呼吸・姿勢・インナーマッスルを整えて心と体のバランスを支え、日常のつらさを減らすということです。

更年期は女性ホルモン(エストロゲン)の変動で心身に揺らぎが出やすい時期とされ、症状の出方には個人差があります。

そのため、ピラティスで「期待できること」と「難しいこと」を先に分けて理解しておくと、無理のない選択につながるでしょう。

更年期はピラティスで治すより整える

更年期はピラティスで「治す」のではなく、揺らぎやすい心身を「整える」ことが目的になります。

更年期症状は、エストロゲン低下と変動により心と体のバランスが崩れやすく、ホットフラッシュや睡眠障害、気分の落ち込みなどが重なりやすいとされています。

この時期に重要なのは、完璧な体調を取り戻すことよりも、日によって変わる不調の波を小さくすることでしょう。

ピラティスは、胸郭を広げる呼吸、背骨と骨盤のアライメントの調整、インナーマッスルの再教育を通じて、過緊張や姿勢の崩れを整えるきっかけとして役立ちます。

たとえば、のぼせや動悸が気になるときは強度を上げず、呼吸と背骨の動きに集中するだけでも、身体が落ち着きやすいと感じる方もいます。

一方で、症状の原因がホルモン変動だけとは限らず、貧血、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸、整形外科疾患などが隠れることもあるので注意しましょう。

「整える」は万能ではありませんが、医療の治療と矛盾しにくく、セルフケアとして継続しやすい考え方といえます。

ピラティスによる更年期の変化の目安は週2回から

更年期ケアとしてのピラティスは、週2回を目安に8週間ほど続けると、体調や睡眠、こり感の変化を評価しやすくなります。

ピラティスはフォームと呼吸の質が重要で、1回で大きく変化させるより、繰り返すことで身体の使い方の学習を積み上げる運動です。

頻度が低すぎると、姿勢や筋出力の「戻り」が起きやすく、変化を実感しにくい傾向にあります。

目安としては、レッスン(または自宅練習)を週2回、加えて体調の良い日に5〜10分の呼吸や軽いエクササイズを挟むと継続しやすくなります。

実際にスタジオ現場でも、最初の1〜2週は「動きに慣れる期間」で、4週前後から肩こりや腰の重さ、眠りの質などの小さな変化に気付く方もいるようです。

8週ほど経つと、体幹の安定感や姿勢、疲れにくさといった「日常動作の楽さ」に変化が出て、続ける判断がしやすくなります。

なお、ホットフラッシュなど更年期症状そのものの軽減は個人差が大きいため、体感だけで結論を急がず、睡眠時間や起床時のだるさなども含めて記録するのがおすすめです。

ピラティスだけでは難しいケース

症状が強い場合や原因が別にある場合、ピラティスだけでの緩和は難しく、医療や他の支援と組み合わせる視点が必要です。

更年期の不調は「更年期だから」と片づけられがちですが、同じような症状が別の病気で起きることがあります。

たとえば、強い動悸や息切れは不整脈や甲状腺機能亢進症、ふらつきは貧血や耳の病気、関節痛は炎症性疾患が背景にあることも否定できません。

また、気分の落ち込みや不安が長く続く場合、運動が助けになる一方で、心理療法や薬物療法が必要なこともあります。

ピラティスは身体の使い方を整える点に強みがありますが、ホルモン補充療法(HRT)などの医学的治療の代替にはなりません。

加えて、痛みが強い状態で無理に動くと、フォームが崩れて肩こりや腰痛の悪化につながることもあります。

「動くと楽になる不調」と「動く前に評価が必要な不調」を見分けることが、安全に続けるコツです。

医療が優先のサイン

胸痛、強い息切れ、不正出血などがある場合は、ピラティスより先に医療機関の受診を優先しましょう。

更年期の年代は症状が多彩で、運動で様子を見るべきか判断が難しい場面があります。

以下は「早めに受診・評価したいサイン」です。

  • 突然の胸の痛み・圧迫感、冷汗、強い息切れ
  • 安静にしても治まらない動悸、失神しそうなめまい
  • 今までにない激しい頭痛、片側のしびれ・ろれつが回らない
  • 閉経前後の不正出血、性交後出血、下腹部の強い痛み
  • 急な体重減少、発熱、強い倦怠感が続く
  • 気分の落ち込みが2週間以上続き、日常生活に支障がある、自傷の考えがよぎる

更年期症状と似る病気を除外できると、ピラティスを安心して続けやすくなります。

婦人科(更年期外来)、内科、心療内科など、症状に応じた相談先を選ぶのが現実的です。

医療での治療と並行して、体力維持や睡眠の質の底上げとしてピラティスを取り入れる選択肢もあります。

ピラティスの前に|更年期の症状について整理

更年期の不調は人によって現れ方が大きく異なるため、先に「自分の主症状がどれか」を整理しておくと、ピラティスの目的と強度を決めやすくなります。

とくにホットフラッシュや不眠、動悸、関節痛、尿漏れなどは同時に起こりやすく、日によって波がある点が特徴です。

一方で、更年期に似た症状は貧血、甲状腺疾患、不整脈、うつ病などでも起こり得ます。

そのため、運動で様子を見るのか、先に医療で評価するのかを判断する材料として、症状の全体像を把握しておくことが大切です。

そもそも更年期とは

更年期は、閉経をはさんだ前後約10年(一般に45〜55歳ごろ)に、女性ホルモンの変動で心身が揺らぎやすくなる時期を指します。

卵巣機能が低下すると、エストロゲンが「少しずつ減る」のではなく、上下に大きく変動しながら低下するとされています。

この揺らぎが視床下部に影響し、心と体のバランスが崩れやすくなることが、更年期症状の背景のひとつです。

更年期に起こる不調のうち、日常生活に支障が出るほど症状が重い状態は「更年期障害」と呼ばれます。

なお、同じ年代でも症状がほとんど出ない人もいれば、複数の症状が重なる人もいます。

体質、ストレス、睡眠、運動習慣、持病、仕事や介護などの環境要因が影響しやすい点も、更年期の難しさといえるでしょう。

ホットフラッシュ、発汗、のぼせ

ホットフラッシュは、更年期に多い「急に熱くなる・汗が噴き出す」症状で、体温調節の乱れが関与すると考えられています。

顔や上半身が急に熱くなり、数分で治まる一方、寒気が続くこともあります。

仕事中や人前で起きるとストレスになり、緊張がさらに発汗を呼ぶような悪循環に入るケースもあるようです。

対策としては、室温調整、重ね着、カフェインやアルコールの摂り方の見直しなどが基本になります。

ピラティスを検討している方は、のぼせが強い日は強度を上げず、呼吸やゆるやかな背骨の動き中心にするほうが続けやすいでしょう。

ただし、発熱が続く、寝汗が異常に多い、急な体重減少を伴うなど「いつもの更年期と違う」経過では、別の原因も否定できません。

症状の頻度や時間帯、誘因(緊張・食事・入浴など)をメモしておくと、医療機関に相談する際にも役立つでしょう。

寝つけない、イライラ、不安

更年期は、不眠やイライラ、不安感などの精神神経症状が出やすく、生活の質に直結しやすい領域です。

エストロゲンの変動は心と体のバランスだけでなく、気分や睡眠に関わる神経伝達物質の働きにも影響すると考えられています。

寝つけない、夜中に目が覚める、早朝に目が覚めるなどパターンはさまざまです。

睡眠不足が続くと痛みや疲労感も強まり、さらに眠れなくなるという連鎖が起こりやすくなります。

この時期は「気合で乗り切る」より、睡眠の土台を守る工夫が現実的です。

就寝前のスマホ時間を短くする、入浴のタイミングを整える、日中に短時間でも光を浴びるなど、小さな調整が積み重なります。

気分の落ち込みが2週間以上続き、仕事や家事に明確な支障がある場合は、更年期だけと決めつけず、婦人科や心療内科などで相談することが安全です。

動悸、めまい、頭痛

動悸、めまい、頭痛も更年期にみられますが、同時に「医療での除外診断」が重要な症状群です。

更年期では心と体のバランスの乱れにより脈が速く感じたり、ふわふわするようなめまいが出たりすることがあります。

一方で、動悸は不整脈、甲状腺機能亢進症、貧血などでも起こり得ます。

めまいは耳の病気、脱水、低血圧、薬の影響など原因が幅広く、頭痛も片頭痛の悪化や別の疾患が隠れている可能性があり要注意です。

運動中に症状が強まる、胸の痛みや強い息切れを伴う、失神しそうになるといった場合は、ピラティスより受診を優先しましょう。

逆に、検査で大きな問題が否定されている場合は、呼吸を整える運動や軽いリズム運動が、過緊張の緩和に役立つこともあります。

安全のため、症状の出る状況(立ち上がり時、入浴後、ストレス時など)と持続時間を記録し、必要に応じて医師に共有することが大切です。

肩こり、腰痛、関節痛、疲れやすさ

肩こりや腰痛、関節痛、疲れやすさは、更年期に増えやすい訴えで、姿勢や筋力低下、睡眠の質の低下が原因として考えられる症状です。

エストロゲン低下は筋や腱のこわばり感、痛みの感じ方、回復力にも影響するとされ、同じ動作でもつらく感じる場面があります。

さらに、忙しさやストレスで活動量が落ちると、筋力や柔軟性が低下して姿勢が崩れやすくなり、肩や腰に負担が集中しやすくなるのです。

たとえばデスクワーク中心の生活では、胸郭が硬くなって呼吸が浅くなり、首・肩まわりの緊張が抜けにくくなることがあります。

こうした不調は、背骨と骨盤のアライメントを整え、体幹(インナーマッスル)を使い直すアプローチと相性がよいタイプです。

ただし、脚のしびれや筋力低下を伴う腰痛、夜間に強くなる痛み、関節の腫れや熱感がある場合は、炎症や神経症状の評価が必要になることがあります。

「動くと少し楽になる痛み」か「動かすほど悪化する痛み」かを見極め、無理のない強度で続けることが重要です。

頻尿、尿漏れなど

頻尿や尿漏れは、更年期以降に増えやすい悩みで、骨盤底筋の機能低下や粘膜の変化が関係することがあります。

エストロゲンの低下により、膀胱や尿道、腟周辺の組織が乾燥・萎縮しやすくなるとされ、尿意を感じやすくなる場合があります。

加えて、出産歴や加齢の影響で骨盤底筋(骨盤の底で臓器を支える筋群)が弱くなると、咳やくしゃみ、ジャンプで尿が漏れる「腹圧性尿失禁」が起こりやすくなります。

腹圧性尿失禁は、骨盤底筋を意識する練習や体幹の安定化で、軽症なら改善が期待できます。

一方で、急に頻尿が悪化した、排尿時の痛みがある、血尿が出る場合は、膀胱炎など感染症の可能性もあります。

尿が出にくい、残尿感が強い、下腹部あたりの違和感が続くときは、臓器脱など別の要因も考えられます。

ピラティスを始める前に、症状のタイプを整理し、必要に応じて婦人科や泌尿器科で相談すると安心です。

更年期かどうかセルフチェック

更年期の可能性は「年齢・月経の変化・代表的な不調」の3点を押さえるだけでも、ある程度の目安がつきます。

ただし、更年期に似た症状は貧血や甲状腺疾患、不整脈、うつ病などでも起こり得るため、セルフチェックは診断ではなく「受診や生活調整の優先度を決める材料」として使うのがおすすめです。

ピラティスを始める前に状態を把握しておくと、強度を上げるべきか、呼吸やゆるめる動きを中心にすべきかを判断しやすくなります。

特に動悸、めまい、頭痛、強い不眠などがある場合は、運動で様子を見る前に「危険なサインがないか」を確認することが大切です。

この章では、30秒でできる簡単確認と、3分でできる「簡略更年期指数(SMI)」の2段階で整理します。

30秒の超かんたん確認

45〜55歳前後で月経が不規則になり、ほてり・発汗や不眠などが複数重なるなら、更年期の影響が関与している可能性があります。

更年期は閉経をはさんだ前後約10年に起こりやすく、エストロゲンの変動で心と体のバランスが揺らぎやすい時期です。

そのため「年齢(時期)」「月経の変化」「典型症状」の3点を短時間で確認するだけでも、次の行動(運動の強度調整や受診)を決めやすくなります。

【チェック項目】

  • オフ45〜55歳ごろ、または閉経の前後にあたる
  • オフ月経周期が乱れてきた(間隔が空く・短くなる・量が変わる)
  • オフホットフラッシュ(急なほてり・発汗)やのぼせがある
  • オフ寝つけない/途中で目が覚めるなど睡眠が乱れている
  • オフイライラ、不安、気分の落ち込みが増えた
  • オフ動悸、めまい、頭痛が出やすい
  • オフ肩こり、腰痛、関節痛、疲れやすさが続く
  • オフ頻尿、尿漏れが気になる

目安として、上のうち「月経の変化」+「症状が2つ以上」当てはまり、生活に支障が出ているなら、次のSMIで重症度を整理するとよいでしょう。

一方で、胸痛、失神しそうなめまい、突然の激しい頭痛、発熱や急な体重減少などがある場合は、更年期と決めつけず受診を優先すると安心です。

3分でできる「簡略更年期指数(SMI)」チェック

簡略更年期指数(SMI)は、更年期症状を点数化して「つらさの程度」と「変化」を把握するための指標です。

SMIは医療現場でも問診の参考として用いられることがあり、主観的な不調を整理してくれます。

点数は診断を確定するものではありませんが、ピラティスの強度を上げるか、呼吸中心で整えるか、医療相談を急ぐかの判断材料になるでしょう。

【ポイント】

  • 症状の強さを「強・中・弱・無」で評価し、対応する点数を合計する
  • 合計点が高いほどつらさが強い可能性があるため、受診検討の目安とする
  • あくまで個人チェックなので、気になる症状がある場合は受診する

【SMI項目】

No症状点数
顔がほてる10630
汗をかきやすい10630
腰や手足が冷えやすい10630
息切れ、動悸がする10630
寝つきが悪い、眠りが浅い10630
怒りやすく、すぐイライラする10630
くよくよしたり、憂鬱になることがある10630
頭痛、めまい、吐き気がよくある10630
疲れやすい10630
肩こり、腰痛、手足の痛みがある10630
合計点数

合計点が…

0〜25点:上手に更年期を過ごせているでしょう。今の生活習慣をベースに過ごして良さそうです。

26〜50点:食事・運動など生活習慣に注意し、無理をしないようにしましょう。

51〜65点:婦人科受診を検討し、生活指導・カウンセリング・薬物療法などを相談しましょう。

66〜80点:計画的な治療が必要な場合があります。医療機関へ相談するのもひとつです。

81〜100点:精密検査および専門医での長期的な対応が望まれます。できれば早めの受診をおすすめします。

点数が急に上がった、動悸やめまいが運動で悪化する、強い抑うつが2週間以上続くといった場合は、運動より医療からの評価を優先すべきかもしれません。

チェックは一度で結論を出すためではなく、波のある更年期の不調を「見える化」して、無理のない選択につなげるためのものになります。

ピラティスが更年期のケアに良い理由

更年期の不調は、ホルモン変動をきっかけに心と体のバランスや筋肉の緊張が揺らぎやすく、ピラティスは「呼吸・姿勢・インナーマッスル」を同時に整えやすい運動です。

治療の代わりではありませんが、睡眠の質、肩こり・腰痛、尿漏れ、冷えやむくみなど、生活の困りごとを減らすことにつながる可能性があります。

ポイントは、強度を上げて追い込むよりも、フォームと呼吸を優先して神経系と身体のバランスを整えることです。

ここではピラティスがなぜ更年期のケアに良いと言われているのか簡単に解説していきます。

呼吸で整える|心と体のバランスの乱れをリセットしやすい

ピラティスの呼吸は、更年期に乱れやすい心と体のバランスを整えるきっかけになりやすいでしょう。

更年期はエストロゲンの変動により、交感神経が優位になって動悸や不安、寝つきの悪さが出ることがあります。

ピラティスでは胸郭を広げるように吸い、長く吐いて腹圧をコントロールするため、呼吸が浅い状態から抜け出しやすくなるのです。

とくに「吐く息を長くする」意識は、過緊張で上がりやすい肩や首の力みを下げ、気持ちの切り替えにもつながりやすいと考えられます。

ホットフラッシュがある日は、息を止める動きや速いテンポは負担になることがあるため、呼吸のリズムが乱れたら中断して休む判断も大切です。

なお、過呼吸のように息苦しさが強まる場合は無理に深呼吸を続けず、医療機関での相談も検討すると安心です。

体幹と骨盤を安定させる|肩こり・腰痛がラクになりやすい

ピラティスは体幹と骨盤の安定性を高めやすく、姿勢不良による肩こりや腰痛軽減のサポートにつながりやすい運動です。

更年期は疲れやすさや睡眠不足で活動量が落ち、背中が丸まりやすくなります。

姿勢が崩れると、首・肩は頭を支えるために緊張し続け、腰は反りやすい・または丸まりやすい状態になり、痛みが出やすくなることも。

ピラティスでは腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルを使い、背骨と骨盤を「動かしながら安定させる」練習をします。

痛みが鋭い、しびれがある、夜間痛が強いなどの場合は、運動で様子を見る前に整形外科などで原因評価を受けてみることをおすすめします。

骨盤底筋を鍛える|尿漏れ対策につながる

ピラティスは骨盤底筋群の働きを学びやすく、尿漏れや頻尿の対策として取り入れられることがあります。

更年期以降は泌尿生殖器の粘膜や支持組織が変化し、咳やくしゃみで漏れる「腹圧性尿失禁」が起こりやすくなるとされています。

骨盤底筋は体幹の深層筋と連動して腹圧を調整してくれるのです。

ピラティスでは呼吸とともに骨盤底を引き上げる感覚を練習し、「締める→ゆるめる」の切り替えも含めて整えます。

注意点として、常に締め続けると過緊張になり、排尿しづらさや骨盤周辺の痛みにつながる場合があります。

症状が強い、急に悪化した、排尿時痛や血尿があるときは、婦人科や泌尿器科での評価を優先してください。

血行促進をサポート|冷え・のぼせ・むくみを和らげやすい

ピラティスは大きな筋肉をリズミカルに使い、呼吸も組み合わせるため、冷え・のぼせ・むくみといった循環の悩みを和らげる助けになることがあります。

関節に強い衝撃をかけにくく、股関節や背骨を丁寧に動かすエクササイズが多いので、こわばりが強い日でも取り組みやすいのが利点です。

一方で、のぼせが強い日に室温が高い環境で行うと、体調が悪化することもあります。

水分補給、換気、強度の調整を前提に、終わった後に「息が整い、体が温まりすぎない」状態を目安にすると続けやすいでしょう。

ピラティスで更年期太りを防ぐコツ

更年期太りは「代謝が落ちたから」だけではなく、ホルモン変動による睡眠・ストレス・活動量の変化が重なって起こりやすくなります。

ピラティスは、呼吸と姿勢を整えて日常の動きをラクにし、結果として消費エネルギーと食行動の乱れを立て直す助けになることがあります。

ただし、短期間で体重を大きく落とす運動というより、体幹を育てて「太りにくい使い方」に変えるアプローチです。

体重だけで評価せず、睡眠の質、むくみ、姿勢、ウエストまわりなど複数の指標で変化を見るようにしましょう。

更年期太りの原因は代謝だけじゃない

更年期太りは、基礎代謝の低下だけでは説明しきれず、睡眠・ストレス・活動量・食欲の変化が重なって起こりやすいといえます。

睡眠の質が落ちると日中の疲れやすさから活動量が下がり、消費エネルギーが減りやすくなります。

ピラティスは過緊張をほどいて動きやすい体に戻し、生活の総量としての活動を増やしやすくしてくれるのです。

急激な体重増加や強いむくみ、息切れがある場合は別要因もあり得るため、医療機関での確認が安心です。

体型を戻したいなら頻度が大切

更年期に体型を整えたい場合、強度を上げるよりも「週あたりの頻度」を確保するほうが結果につながりやすい傾向にあります。
頻度としては週2回程度を目安にすると、姿勢や体幹の安定が日常動作に乗りやすく、戻りにくいでしょう。

時間が取れない場合は、1回60分よりも「20分×複数回」のほうが継続しやすいこともあります。

体調別に具体例を挙げてピラティスのスケジュールを考えてみましょう。

  • 調子が良い週:スタジオ1回+自宅20分を1〜2回
  • 普通の週:自宅20分を2回(呼吸と体幹中心)
  • しんどい週:呼吸5分+背骨をゆるめる動きを数種目

頻度はもちろんですが、ピラティスは続けることも大切なので、自身の体調に合わせて無理なく継続しましょう。

食事はここだけ意識|たんぱく質・間食・夜ごはんの整え方

更年期の体型対策は、食事を完璧にするより「たんぱく質」「間食」「夜ごはん」の3点に絞ってバランスを整えるほうが続けやすいです。

毎食に手のひら1枚分のたんぱく源(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など)を置くと不足を埋めやすいでしょう。

間食については食べてもOKですが、「内容と時間を決める」ことをおすすめします。

  • 内容:ナッツ、ヨーグルト、チーズ、ゆで卵など
  • 時間:夕方までに1回、量は小皿程度
  • 避けたい例:空腹で甘い飲料や菓子パンだけを摂る

夜ごはんは、野菜・汁物・たんぱく質を先に食べ、主食は控えめにするのがおすすめです。

持病の治療食がある人や急な体重変化がある人は、自己判断で制限を強めず専門家に相談しましょう。

体重だけで判断しない考え方

更年期のボディメイクは、体重が変わらなくても「見た目」と「体調」の改善が期待できることがあるため、体重だけで評価しない視点が大切です。

ウエストまわりの締まり、肩の位置、骨盤の傾きが変わり、同じ体重でも服のフィット感が変わることがあります。

あくまでも目安ですが、期間別にどういった変化を感じやすいのか挙げておきます。

  • 1〜2週間:睡眠、むくみ、疲れやすさ
  • 4〜8週間:姿勢、肩こり・腰痛、ウエストまわり
  • 8週間以降:体脂肪、筋力、日常の活動量

記録は、体重に加えて「ウエスト」「写真」「睡眠」「レッスン回数」をセットにすると、停滞期でも前進が見えやすくなります。

更年期ケアにはマシン・マット・ヨガを比べて選ぼう

更年期のケアは「何を選ぶか」より、「体調の波があっても続けられる形」を選ぶことが結果につながります。

マシンピラティス、マットピラティス、ヨガはそれぞれ得意分野が違い、症状や運動経験によって合う選択肢が変わります。

「負荷を調整しやすいか」「通いやすいか」「フォームを見てもらえるか」を基準に比べると、無理なく継続しやすいでしょう。

マシンピラティスは動きをサポート+フォームが崩れにくい

関節や体力に不安がある更年期は、マシンピラティスの「補助で動きを作れる」特徴があっているでしょう。

リフォーマーなどのマシンはスプリングの力で動きを助けたり、逆に負荷として使ったりできるため、同じ種目でも体調に合わせて強度を細かく調整できます。

更年期は肩こり・腰痛・関節痛が出やすく、反り腰や猫背が重なると、体幹に効かせたいのに首や腰ばかり頑張ってしまうことがあります。

マシンが身体をガイドし、骨盤と胸郭(肋骨まわり)の位置を保ちやすいので、腹圧コントロールを学びやすいでしょう。

たとえば、仰向けで脚を動かす種目でも、スプリングが支えになると股関節の詰まり感が減り、腰を反らずに動かしやすくなります。

一方で、スタジオに通う必要があり、マットより費用がかかることが気になるところです。

継続のハードルが上がる場合は、月2回マシンでフォーム確認し、残りは自宅で短時間のマットを行うなど、無理なく通えるペースを考えてみましょう。

マットピラティスは自宅でできて続けやすい

更年期ケアでは、マットピラティスの「いつでも短時間でできる」点が継続の武器になります。

更年期の不調は日によって波があり、スタジオに行く気力が出ない日もあるかもしれません。

マットなら、呼吸5分と骨盤まわりの軽いエクササイズだけでも成立しやすく、週あたりの頻度を落としにくいのが利点です。

とくに、胸郭を広げる呼吸や、骨盤の前後傾をコントロールする動きは、心と体のバランスの緊張を下げたり、腰まわりのこわばりをゆるめたりする助けになります。

一方で、自己流だと首肩がすくんだり、腰を反らせて頑張ったりして、肩こりや腰痛が悪化するケースもあるでしょう。

動画で行う場合は、回数より「呼吸が止まっていないか」「肋骨が開きっぱなしになっていないか」「骨盤がぐらついていないか」を確認すると安全性が上がります。

不安がある人は、最初の数回だけでも対面レッスンで姿勢と呼吸を見てもらうと、家でも再現しやすくなります。

ヨガは呼吸とゆるめる動きでリラックスしやすい

不眠や不安、イライラが前面に出る時期は、ヨガの「呼吸とリラックス」を軸にした時間が助けになることがあります。

更年期はホルモン変動の影響で心と体のバランスが揺らぎやすく、寝つけない、途中で目が覚める、動悸が気になるなどの症状が重なりやすいとされています。

ヨガはポーズそのものよりも、呼吸に意識を向けて筋緊張をゆるめてくれるのが特徴です。

息を長く吐く時間を作ると、副交感神経が優位になりやすいといわれており、就寝前のルーティンとして取り入れている人もいます。

たとえば、股関節や背中をゆるめるやさしいポーズを数分行い、最後に仰向けで呼吸を整えるだけでも「眠くなってきた」と感じる人もいるようです。

ただし、肩や腰、膝に痛みがある場合、形を作ろうとして負担が増えることもあります。

痛みが出るポーズは避け、ブロックやクッションで高さを足すなど、可動域を「広げる」より「守る」方向で調整すると安心です。

続けることが大切!しんどい日は軽めに

更年期の運動は、頑張り切る日を作るより「途切れない形に落とす」ほうが長期的に効果が出やすいです。

体調の波がある時期に、毎回100点を狙うと、疲れた反動で数週間空いてしまうかもしれません。

ピラティスもヨガも、呼吸と姿勢の学習要素が大きいため、短時間でも定期的に触れるほうが感覚が戻りやすいと考えられます。

しんどい日の目安は「息が上がる運動を避け、呼吸と可動域を優先する」ことです。

次のように、体調別のメニューをあらかじめ用意しておくと迷いにくくなります。

  • 元気な日:通常レッスン(30〜60分)+歩行など軽い有酸素
  • 普通の日:マット20分(呼吸・体幹・背骨の動き中心)
  • しんどい日:呼吸5分+背中と股関節をゆるめる2〜3種目

ホットフラッシュが強い日や、めまいがある日は、温度調整と水分補給を優先し、うつ伏せや急な起き上がりを減らすと安全に取り組めます。

「軽めにする」は悪いことではなく、波がある前提で継続の確率を上げる工夫といえるでしょう。

不調が強い人はパーソナルレッスンもおすすめ

痛みや不調が強い場合は、グループレッスンよりパーソナルレッスンのほうが安全性と納得感が上がりやすいかもしれません。

更年期は症状の出方が個人差が大きく、同じ「肩こり」でも原因が猫背、呼吸の浅さ、胸郭の硬さ、骨盤の不安定さなどで変わります。

パーソナルレッスンでは、その日の血圧や疲労度に合わせて種目を選び、フォームの癖(反り腰、肋骨の開き、首の力みなど)をその場で修正してもらえます。

とくに尿漏れが気になる人は、骨盤底筋を締めるだけでなく、呼吸と連動させて腹圧をコントロールする必要があり、見よう見まねだと誤解が生まれてしまうかもしれません。

スタジオ選びでは、資格や指導経験に加えて「痛みがある日の対応」「更年期の不調への配慮」を確認すると安心です。

なお、動悸が強い、急な息切れ、出血、強い抑うつ気分などがある場合は、運動で様子を見るより医療機関の受診を考えてみてください。

更年期ケアにおすすめ!自宅でできるピラティスポーズ

更年期のセルフケアでは、強度の高い運動よりも「呼吸・骨盤・背骨の動き」をやさしく整えるピラティスが取り入れやすいでしょう。

ここでは、自宅で安全に行いやすく、肩こり・腰痛・不眠・不安・尿漏れなどの悩みにもつながりやすい基本ポーズを5つ紹介します。

回数や頑張り度より「呼吸が止まらない範囲」「痛みが出ない範囲」で、体の感覚を確認しながら進めることを意識してみてください。

リブケージブリージングは深い呼吸で落ち着く

リブケージブリージングは、胸郭(肋骨)を立体的に広げる呼吸で、心と体のバランスの緊張をゆるめやすい基礎になります。

更年期は不安感や寝つきにくさが出やすく、呼吸が浅くなると首・肩の力みも強まりがちです。

肋骨の動きを感じながら吸って、長めに吐く練習をすると、副交感神経が働きやすい状態になるといわれています。

  1. 姿勢は仰向けで膝を立て、背中が楽な位置を探す
  2. 両手を肋骨の左右に添え、鼻から吸って「肋骨が横と背中に広がる」感覚を確認する
  3. 口からゆっくり吐き、肋骨が内側に戻り、お腹が薄くなるイメージを持つ

回数の目安は5呼吸からで十分です。

慣れてきたら「吸う4秒・吐く6〜8秒」など吐く時間を少し長くすると、落ち着きやすいでしょう。

一方で、動悸が強い日や息苦しさが増す場合は中止し、楽に呼吸できる姿勢に戻してください。

過呼吸になりやすい体質の方は、深く吸い過ぎず「吐くことを丁寧に」意識すると安全性が上がります。

ペルビックティルトで骨盤を動かして整える

ペルビックティルトは、骨盤を前後に小さく動かし、反り腰や腰のこわばりを整えやすい基本エクササイズです。

更年期は腰痛や股関節の違和感が出やすく、姿勢が崩れると腹筋より腰で頑張る動きになりがちです。

骨盤の「前傾・後傾」をなめらかに出せるようになると、日常動作でも腰の負担が分散しやすいと考えられます。

  1. 仰向けで膝を立て、足幅はこぶし1〜2個分を目安にする
  2. 息を吐きながら恥骨を少し持ち上げるように骨盤を後傾させ、腰の隙間を少し減らす
  3. 息を吸いながら骨盤を前傾に戻し、腰の下の空間が少し増える位置で止める
    ※このときのポイントは「骨盤だけを小さく動かす」ことで、肩がすくんだり膝が左右に倒れたりする場合は可動域が大きすぎるサイン
  4. 回数は6〜10回を目安にし、腰に痛みが出ない範囲で行います。

尿漏れが気になる方は、吐くタイミングで骨盤底筋をやさしく引き上げる意識をするといいでしょう。

ブリッジでお尻と体幹を鍛える

ブリッジは、お尻(殿筋)と体幹を同時に使い、姿勢を支える筋力低下に対して効率よくアプローチできます。

更年期は活動量が落ちやすく、筋力が落ちると腰や膝に負担が集中しやすくなります。

殿筋が働くことで骨盤が安定し、歩行や立ち上がりでも腰が反りにくくなるため、腰痛予防のサポートにもつながるでしょう。

  1. 仰向けで膝を立て、かかとはお尻からこぶし1個分ほど離す
  2. 息を吐きながらペルビックティルトの要領で骨盤を軽く後傾させる
  3. そのまま背骨を下から順に持ち上げる
  4. トップでは肋骨を開き過ぎず、肩から膝がゆるい斜め一直線になる高さが目安
  5. 吸いながらキープし、吐きながら背骨を上から順に下ろす

回数は5〜8回、余裕があればトップで3呼吸キープにすると、体幹の持久力を育てやすいです。

腰に詰まり感が出る場合は、持ち上げる高さを下げるか、肋骨を軽く内側に収める意識に変えてみてください。

膝が外へ開く人は、膝の間に薄いクッションを挟むと脚のラインが安定しやすいでしょう。

痛みが出る場合は無理に続けず、呼吸とペルビックティルトに戻すほうが結果的に安全です。

キャットストレッチは背中をゆるめて深い呼吸を

キャットストレッチは、背骨を丸める・反らす動きで背中のこわばりをゆるめ、呼吸を通しやすくするエクササイズです。

更年期の肩こりは、胸郭の硬さや呼吸の浅さとセットで起こることがあります。

背骨の動きを取り戻すと、肩甲骨まわりが動きやすくなり、首肩の力みに気づきやすくなる点がメリットです。

  1. 四つ這いになり、手は肩の下、膝は股関節の下に置く
  2. 息を吐きながら背中を丸める
  3. みぞおちを背中側へ引き上げるようにして視線はおへそに向ける
  4. 吸いながら背骨をゆるめる
    ※胸を前へ出すというより「背中の丸まりをほどく」程度に戻すと腰を反り過ぎにくい

回数は5〜8往復が目安で、動きの大きさより呼吸に合わせて背骨が連動する感覚を優先しましょう。

手首がつらい場合は、拳をつく、前腕を床につく、手の下にタオルを敷くなどで角度を調整できます。

めまいがある日は、頭を大きく上下させると症状が出ることがあるため、可動域を小さくするか仰向けの呼吸に切り替えると安心です。

ねじってこわばりをほぐすスパインツイスト

スパインツイストは、胸椎(みぞおちより上の背骨)を中心に体幹をねじり、背中と体側のこわばりをほぐしやすい種目です。

更年期は姿勢が丸まりやすく、胸郭が硬くなると呼吸が浅くなり、肩こりや疲れやすさが強まることがあります。

ねじりは腰で作ると負担が出やすいため、「骨盤は安定、胸だけ回す」意識が安全性のポイントです。

  1. 床に座って背すじを伸ばす
    ※脚は伸ばすか、股関節が詰まる場合はあぐらでもOK
  2. 両腕を肩の高さで横に開き、吸って背骨を上に伸ばす
  3. 吐きながら胸を右へ回し、吸って正面に戻し、吐いて左へ回す流れで行う

回数は左右各3〜5回が目安で、骨盤が一緒に回ってしまう場合は、回旋の角度を小さくすると整いやすいです。

腰痛がある方は、腰をひねらず「肋骨の向きが変わる程度」で止めると負担が増えにくいといえます。

座位が苦手な場合は、椅子に浅く座って同じ動きをすると、めまいが出にくく続けやすいでしょう。

まとめ|更年期はピラティスで無理なくケアしよう

更年期の不調は「治す」より「整える」発想が合いやすく、ピラティスは呼吸・姿勢・骨盤まわりから心身のバランスを支える選択肢になります。

一方で、強い不調や急な体調変化は運動だけで抱え込まず、医療につなげる判断も重要です。

この記事のポイントを、最後に簡単に整理しておきます。

  • 更年期はホルモン変動で心と体のバランスが揺らぎやすく、不調の出方に個人差がある
  • ピラティスは呼吸・体幹・骨盤底筋を整え、肩こり・腰痛や睡眠の質、尿漏れ対策に役立つ可能性がある
  • 頻度の目安は週2回からで、まずは8週間ほど継続して変化を観察するのがおすすめ
  • 不眠や気分の落ち込みが強い、動悸やめまいが続くなどは医療が優先になることもある
  • しんどい日は軽めにして続けることが、結果として安全性と効果の両方につながる

無理のないピラティス習慣が、変化の大きい時期の心身を支える土台になるでしょう。

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