ピラティスでヒップアップは期待できる?おしりが下がる原因やヨガ・筋トレとの比較
ピラティスを続けることでヒップアップは期待できるでしょう。
目安は、早い人なら数週間で「体の使い方の変化」を、2〜3か月で「見た目の変化」を感じられるといわれています。
ただし、狙いは筋肉を大きくすることより、骨盤と股関節の動き・姿勢を整えて臀筋が働く状態を増やす点にあり、体脂肪や生活習慣でも見え方は変わります。
この記事では、以下の内容を解説します。
- ヒップアップが起きる仕組み
- ヒップラインが崩れる主因
- 大臀筋・中臀筋の役割
- マシンとマットの違い
- 自宅でできる基本5種目
この記事の
監修者
鈴木 直子
(すずき なおこ)
pilates指導歴19年。
2018年マシン専門ピラティススタジオ『pilates K』を立ち上げ。
現在はpilatesK ・pilatesKsmartのトレーナーとして、
全国109店舗(25年9月時点)に在籍するインストラクター育成や、レッスン開発を担当。
ピラティスでヒップアップは期待できるのか
ピラティスを続けることでヒップアップは期待できるでしょう。
「おしりの筋肉を大きくする」というよりも、骨盤と股関節の動きや姿勢を整え、臀筋を使える身体にして見た目のラインを引き上げるアプローチが中心です。
また、おしりは体脂肪の増減や生活習慣の影響も大きく、ピラティスだけで短期間に別人級の変化を目指すのは難しいでしょう。
ここではピラティスで期待できるおしりの変化について説明します。
ヒップアップは筋肉の使い方と骨盤を整えることで変わる
ヒップアップは、臀筋を正しく使いながら骨盤と股関節の位置関係を整えることで、見え方が変わりやすくなるでしょう。
おしりは大臀筋が股関節を伸ばす働きを担い、中臀筋が骨盤を横から支える役割を持ちます。
ところが反り腰や骨盤の前傾が強いと、腰で反って動きを作りやすく、臀筋より脊柱起立筋や太もも前側が頑張ってしまう傾向があります。
一方で骨盤が後傾しやすい人は、股関節が十分に伸びず、おしりの上部に張りが出にくいことがあります。
ピラティスでは呼吸と体幹の安定(腹圧のコントロール)を土台に、骨盤をニュートラルに近づけながら股関節を動かす練習になりやすいです。
たとえばブリッジ系の動きで「腰を反らせて高く上げる」のではなく、「肋骨の開きを抑え、恥骨とおへその距離を保ちつつ股関節伸展を出す」意識を持つと、臀筋に入りやすくなります。
筋肉量が同じでも、使い方が変わるだけでおしりの高さや太ももとの境目がくっきり見えるケースもみられます。
なお、股関節や腰に痛みがある場合は、フォーム以前に可動域など問題が隠れている可能性もあるため、無理に回数を増やさないようにしましょう。
ピラティスはおしりの土台づくりが得意
ピラティスは、臀筋を「鍛える前に使える状態に戻す」土台づくりにぴったりです。
ヒップアップが停滞する背景には、臀筋の出力不足そのものより、骨盤が不安定で狙った筋肉に負荷が乗らないことが多いといわれています。
ピラティスでは体幹のインナー(代表的には腹横筋や骨盤底筋群など)の共同収縮を促し、骨盤と胸郭を安定させたまま股関節を動かす練習をします。
この「安定させる→動かす」の順序が整うと、スクワットやヒップスラストのようなトレーニングでも臀筋に刺激が入りやすくなることが期待できるでしょう。
実際にレッスン現場でも、ブリッジでふくらはぎをつりやすい人が、骨盤の位置と呼吸を修正するだけでおしりに効いている感じを実感できるということがあります。
また、左右差の改善にもつながることがあり、中臀筋の働きが弱い側を狙うエクササイズで骨盤のブレが減ると、脚のラインがまっすぐに見えやすくなるでしょう。
一方で、筋肥大を最短で狙うなら高負荷の筋トレが有利な場面もあります。
ピラティスは「ラインを整える」「姿勢を崩さずに使う」ことに強みがあるため、目的が筋量アップ中心か、シルエット改善中心かで選び分けると納得感が高まります。
ピラティスでヒップアップ効果が期待できる目安
ピラティスのヒップアップは、早い人なら数週間で「体の使い方の変化」、見た目の変化は2〜3か月を目安に考えるのが現実的です。
ピラティスを始めた初期段階は筋肥大よりも、姿勢・骨盤の安定など「正しく体を使うため」の改善に期待ができるためです。
レッスン頻度は週1回でも変化のきっかけになりますが、ヒップラインの変化を狙うなら週2回前後の継続が一つの目安になります。
自宅でのマットエクササイズを短時間でも追加できると、臀筋を使う回数が増え、日常動作への定着が進みやすくなります。
経過を判断する際は体重だけでなく、横から見たおしりの高さ、太ももとの境目、片脚立ちでの骨盤のブレなどを指標にすると変化を捉えやすいでしょう。
なお、体脂肪が増えている時期は輪郭が出にくく、急なダイエットでは張りが落ちて見えることもあるため、食事・睡眠・活動量も含めて評価する必要があります。
目安としては、フォームが安定し「おしりに効いている感覚」が再現できるようになった頃から、ヒップアップの見え方がついてくるイメージです。
回数よりも、骨盤が安定した状態で股関節を動かせているかに重きを置くことが近道のひとつになります。
ピラティスでヒップアップする前に|ヒップラインが崩れる原因
そもそもなぜヒップラインは崩れてしまうのでしょうか。
一般的には「座る時間が長い」「反り腰や後傾姿勢が強い」「股関節が硬い」「体脂肪率の増加」などが挙げられます。
ここではヒップラインが崩れる原因を分かりやすく説明していきます。
原因を理解することで、よりヒップアップを目指しやすくなるでしょう。
座りっぱなしでおしりが垂れやすくなる
座り時間が長いほど、臀筋が使われる機会が減り、おしりが下がって見えやすくなります。
座位では股関節が曲がった状態(屈曲位)になりやすく、立つ・歩くで必要な股関節伸展が出にくくなります。
この状態が続くと、臀筋が「使われない筋肉」になり、立ち上がりや階段でも太もも前側や腰に頼る動作パターンが固定されやすいのです。
たとえば、デスクワーク後にブリッジ系をしてもハムストリングス(もも裏)ばかりが疲れる場合、臀部の筋肉の動きが遅れているサインかもしれません。
ピラティスは、呼吸で体幹を安定させたうえで股関節を伸ばす練習を重ねることで、臀筋に「スイッチ」を入れ直します。
なお、座り姿勢で骨盤が後傾しやすい人は、坐骨で座る意識や、1時間に1回立って数分歩くなどの行動が、ヒップライン維持の土台になります。
反り腰や後傾姿勢でおしりが下がって見える
反り腰(骨盤前傾が強い)や骨盤後傾の姿勢は、同じ筋肉量でもおしりの位置が低く見えてしまうことがあります。
反り腰では、肋骨が開きやすく腰椎の伸展で立つ癖が出るため、股関節を伸ばす動きが腰の反りに置き換わりがちです。
すると臀筋で作りたい「おしりの上の張り」が出にくく、見た目は突き出ていてもヒップアップした印象になりにくい傾向があります。
一方で骨盤後傾(猫背寄り)では、股関節の伸展がしっかり出にくく、おしりが四角く平たく見えやすいです。
ピラティスの強みは、骨盤ニュートラル(前傾と後傾の中間)を探しながら、体幹のインナーで骨盤を安定させる点にあります。
腰痛がある場合は、反り腰を「伸ばして治す」より、腹圧のコントロールと股関節主導の動きを優先した方が安全なケースもあります。
そのため痛みが続くときはインストラクターや医療専門職に相談してみましょう。
股関節の硬さで太ももとおしりの境目が消える
股関節の可動域が不足すると、臀筋が働く局面が減り、太ももとおしりの境目(おしりの下のライン)がぼやけやすくなります。
おしりの丸みは、臀筋の収縮だけでなく、股関節が「曲がる・開く・回る・伸びる」を適切に使えることでも作られます。
ところが股関節が硬いと、脚を後ろに引く動きや外旋(脚を外に回す動き)が出づらくなり、代わりに腰や膝が頑張ってしまう、ということが起こりやすいです。
その結果、運動しているのに太もも前側ばかり張ったり、腰に違和感が出たりして、臀筋への刺激が安定しません。
ピラティスでは、可動域を広げるだけでなく、骨盤がブレない範囲で股関節を動かす練習を重ねます。
開脚や前屈が苦手でも問題はありませんが、痛みを伴う硬さがある場合は、無理に伸ばすより呼吸と軽い動きで緊張を下げるアプローチが向くこともあります。
体脂肪の増加や急なダイエットで形が崩れる
ヒップラインは筋肉だけでなく皮下脂肪の量や変動にも左右され、増量・急な減量のどちらでも形が崩れて見えることがあります。
体脂肪が増えると輪郭が埋もれやすく、おしりの「高さ」より「面積」が強調されるため、垂れて見えるケースがあるのです。
一方で短期間のダイエットでは、脂肪だけでなく筋量も落ちやすく、張りが減って平たく見えることもあります。
特に摂取エネルギーを急に下げると、トレーニングの出力が落ち、臀筋に十分な刺激を入れにくい状態になりやすいです。
ピラティスは姿勢と筋の使い方を整えるのに向いていますが、体脂肪のコントロールは食事・睡眠・活動量の影響が大きい領域になります。
体重変動が大きい時期は見た目の評価がぶれやすいため、写真の比較や、片脚立ちでの骨盤の安定感など「動きの変化」も指標にすると効果を感じやすいでしょう。
ピラティスでヒップアップを狙うときに大切な筋肉
ピラティスでヒップアップを狙うなら、見た目の「丸み」だけでなく、骨盤と股関節を安定させておしりが働く土台を整えることが重要です。
主役は大臀筋・中臀筋ですが、骨盤の傾きや脚のラインにはハムストリングスと腸腰筋も深く関わるため、4つをセットで考えると変化が出やすくなります。
ここではピラティスでヒップアップを狙うときに大切な4つの筋肉について説明します。
ヒップアップに関わる代表的な筋肉と役割を理解することで、エクササイズの狙いがはっきりと分かるようになるでしょう。
大臀筋はおしりの高さと張りをつくる主役
ヒップアップの中心は大臀筋で、股関節を伸ばす力が「おしりの高さ」と「上部の張り」を作ります。
大臀筋は人体でも大きな筋肉の一つで、立つ・歩く・階段を上るなど日常動作でも重要です。
ただし座り時間が長い、反り腰で腰椎の伸展に頼る癖があると、股関節伸展の仕事が臀筋から脊柱起立筋やハムストリングスへ移ってしまうことも。
たとえばブリッジ系(ヒップリフト)で「腰が詰まる」「もも裏が先に限界になる」場合、股関節より先に腰で反っている可能性があります。
ピラティスでは、肋骨が開きすぎない呼吸と腹圧のコントロールで骨盤を安定させ、股関節から脚を伸ばす感覚を作ります。
このとき、おしりを力任せに締め続けるより、骨盤ニュートラルを保ったまま収縮と伸張を繰り返すほうが、形づくりにつながりやすいです。
また、足幅やつま先の向きで効き方が変わるため、膝が内に入らない範囲で微調整すると刺激が安定しやすいです。
腰痛が出る場合は、可動域を小さくして「腰を反らないで股関節を動かす」ことを優先し、痛みが続くときはインストラクターや医療専門職に相談してみましょう。
中臀筋はおしりの横の丸みと脚のラインを支える
横尻の丸みと脚のラインを整える鍵は中臀筋で、骨盤の左右差を抑える役割が大きい筋肉です。
中臀筋は股関節外転(脚を横に開く動き)を担い、歩行や片脚立ちで骨盤が落ちないように支えています。
ここが弱い、または使いにくいと、片脚で体重を支える場面で骨盤が傾きやすくなります。
見た目では、おしりの外側が平たく見えたり、脚のラインが崩れて太ももの外側が張りやすく感じたりすることがあります。
ピラティスでは、クラムシェルやサイドレッグリフトのように「骨盤を固定したまま股関節だけを動かす」練習が有効です。
動作中に腰が反る、骨盤が後ろへ倒れる、脚を高く上げるほど効かなくなる場合は、可動域が大きすぎて代償が起きているサインかもしれません。
効かせるコツは、脚を上げる高さよりも、骨盤が水平に保てているか、股関節の付け根から動いているかにあります。
なお、中臀筋のトレーニングは地味に感じやすい一方で、姿勢の安定や膝の向きにも影響するため、ヒップアップの「崩れにくさ」を支える要素になってくれます。
ハムストリングスと腸腰筋のバランスで骨盤が起きる
ヒップアップを見た目で引き上げるには、ハムストリングスと腸腰筋のバランスで骨盤の位置を整えることが大切です。
ハムストリングス(もも裏)は股関節伸展に関わり、硬さが強いと骨盤を後傾方向へ引きやすいといわれています。
一方で腸腰筋(大腰筋・腸骨筋の総称)は股関節屈曲に関わり、弱化や使い方の癖があると骨盤前傾が強まり、反り腰姿勢につながることがあります。
骨盤が後傾に寄りすぎるとおしりが平たく見えやすく、前傾に寄りすぎると「突き出ているのに高く見えない」状態が起こりやすいのです。
ピラティスで重要なのは、腹横筋など体幹のインナーで腹圧を保ちながら、股関節の前後で筋肉が分担して働く感覚を覚えることです。
たとえばレッグリフト系で太もも前側が張りすぎる場合は、腸腰筋ではなく大腿直筋が優位になっている可能性があります。
ブリッジ系で裏ももが主役になりすぎる場合は、ハムストリングスが頑張りすぎて臀筋が入りにくい状態かもしれません。
骨盤ニュートラルを保てる範囲で可動域を小さくし、呼吸が止まらない強度で反復するほうが、骨盤の位置とヒップラインの変化が結びつきやすいでしょう。
ピラティスでヒップアップするにはマシン?マット?
ピラティスでヒップアップを狙うなら、マシンとマットのどちらが優れているかではなく、目的と体の状態に合う方法を選ぶことが大切です。
負荷調整やフォームの安定を重視するならマシン、自宅での継続や身体感覚(どこをどう使うか)の習得を重視するならマットが向いています。
ここでは、ヒップアップ目線で見たマシンとマットの活用ポイントと、スタジオ選びのコツを整理していきます。
マシンは負荷を調整できてフォームも安定しやすい
マシンピラティスは、負荷を調整しながら正しいフォームを作りやすく、ヒップアップに必要な臀筋の「使える状態」を作りやすいです。
リフォーマーなどのマシンはスプリングで抵抗や補助をつけられるため、筋力が追いつかない動きでも骨盤の安定を保ちやすくなります。
反り腰で腰に入りやすい、ハムストリングスばかり疲れるといったケースでは、軌道が整うことで「股関節から動く」感覚を掴みやすい傾向があります。
たとえばフットワークやブリッジ系をマシンで行うと、骨盤ニュートラルを保ったまま股関節伸展を反復しやすく、大臀筋に刺激を集めやすくなるでしょう。
片脚のワークでもぐらつきが減るため、中臀筋で骨盤を水平に保つ練習が成立しやすい点もメリットです。
注意点は、マシンが動きを導いてくれる分、呼吸や腹圧(腹横筋、骨盤底筋群など)への意識が薄れると、形だけの動きになりやすいことです。
腰や股関節に違和感が出る場合は、負荷が強すぎるか可動域が大きすぎる可能性があるため、スプリング設定とフォームを優先して見直してみましょう。
マットは自宅で続けやすく体の使い方が身につきやすい
マットピラティスは、自重で身体をコントロールするため、骨盤と肋骨の位置関係を保ちながら臀筋を使う「動きの質」を身につけやすい方法です。
ヒップアップは一度の強い刺激よりも、日常姿勢と筋肉の使い方が変わることで見た目が整いやすいと考えられます。
その点で、マットは自宅で頻度を確保しやすく、座りっぱなしで眠りがちな臀筋にこまめにスイッチを入れやすいのがメリットです。
たとえばヒップリフト、クラムシェル、サイドレッグリフトのような基本種目は、骨盤ニュートラルと呼吸を守れば中臀筋・大臀筋を狙いやすくなります。
一方で、鏡や指導がない環境では、反り腰で腰を反る、膝が内に入る、脚を上げすぎて腰が動くなどの違った効かせ方に気付けないかもしれません。
効かせるコツは、回数を増やすよりも可動域を小さくして、肋骨が開きすぎない呼吸と腹圧を保つことにあります。
フォームが不安な場合は、月に数回でも「スタジオでチェックして自宅で復習する」という形にすると、継続と精度の両立がしやすいです。
スタジオ選びのコツ|自分に合うレッスンと通い方を見つけよう
ヒップアップ目的でスタジオを選ぶなら、「マシンかマットか」よりも、姿勢と股関節の使い方を丁寧に見てもらえる環境かどうかが重要です。
臀筋は大きな筋肉ですが、反り腰や骨盤の傾きが強いと腰や太ももに負担が逃げやすく、自己流ではズレが固定化しやすい面があります。
まず確認したいのは、初回に姿勢評価(骨盤の前後傾、胸郭の位置、股関節の可動域など)を行い、狙う筋肉に合わせて種目を組んでくれるかどうかです。
グループは料金面で続けやすい一方、個別の修正は限られるため、フォームが崩れやすい人はプライベートや少人数レッスンという選択肢もあります。
通い方は「週1回のスタジオ+自宅で10〜15分を週2〜3回」のように、頻度と質を両立させると通いやすく変化も感じやすいでしょう。
体験時は、臀筋に効く感覚だけで判断せず、呼吸が止まらない強度か、腰や股関節に痛みが出ないかも確認すると安全性も高まります。
自宅でOK!ヒップアップにおすすめのピラティスエクササイズ
自宅でのヒップアップは、「骨盤ニュートラル」を保ったまま、股関節から動いて臀筋に刺激を集めることが近道です。
ここではマットでできる代表的な5種目を、狙う筋肉(大臀筋・中臀筋など)とフォームの注意点付きで整理していきます。
種目ごとの狙いどころを把握しておくと、「効かない」「太ももばかり張る」といった悩みを減らせるでしょう。
ヒップリフト|基本のおしりスイッチを入れる
ヒップリフトは、骨盤ニュートラルを保ちながら大臀筋に刺激を集める、ヒップアップの土台になる種目です。
座りっぱなしで臀筋が働きにくい場合でも、動きがシンプルなため「おしりに入る感覚」を作りやすい点がメリットです。
- やり方は、仰向けで膝を立て、足は腰幅でつま先を正面に向ける
- 息を吐きながら下腹部をやさしく引き込み、恥骨とみぞおちの距離が極端に縮まらないように意識する
- 股関節を伸ばして骨盤を持ち上げる
- 頂点では腰を反らさず、高さを変えずにキープする意識を優先すると、大臀筋に刺激が乗りやすくなる
よくある崩れの原因は、肋骨が開いて反り腰になり、腰で上げてしまうことです。
腰に張りや違和感が出るときは、上げる高さを下げ、吐く息を長くして腹圧を保つと改善することがあります。
ハムストリングス(もも裏)ばかり疲れる場合は、かかと重心にしすぎている可能性があるため、足裏全体で均等に床を押すとバランスが取りやすいです。
慣れてきたら、上げた位置で2〜3呼吸キープしてから下ろすと、姿勢保持の要素が加わり「形を保つ力」も育ちます。
ショルダーブリッジ|片脚でおしりの高さを作る
ショルダーブリッジ(片脚)は、片側の臀筋で骨盤を支える練習になり、おしりの高さと左右差の補正に役立つ種目です。
ヒップアップは大臀筋のパワーだけでなく、中臀筋が骨盤を水平に保てるかで見え方が変わりやすいといえます。
- 準備はヒップリフトと同じで、いったん両脚で骨盤を持ち上げる
- 骨盤が傾かない範囲で片脚をテーブルトップ(股関節90度・膝90度)に上げる
- このとき、上げた脚を高く上げるほど骨盤が回旋しやすいため、脚の高さよりも骨盤の安定を意識する
- 動作は、支持脚側の股関節を伸ばして骨盤を保ち、数センチの上下に留めて反復する
効かせるコツは、支持脚の膝が内に入らないよう、膝とつま先の向きをそろえることです。
骨盤が左右に揺れると、腰や太ももの外側で踏ん張ってしまいやすく、狙いがぼやけてしまいます。
腰が痛い場合は、可動域が大きすぎるか、肋骨が開いている可能性があります。
一度両脚のヒップリフトに戻し、吐く息で肋骨を締め直してから再開すると、安全に続けやすくなるでしょう。
左右差が強い方は、苦手側を1〜2回多めにするより、同じ回数で「骨盤が傾かない範囲」を揃えるほうがフォームが安定しやすいです。
クラムシェル|おしりの横中臀筋を狙う
クラムシェルは、中臀筋を狙いやすく、横尻の丸みと骨盤の安定に直結する種目です。
中臀筋が働くと、立位や歩行で骨盤が傾きにくくなり、ヒップラインだけでなく脚のラインも整いやすくなります。
- 横向きに寝て、股関節と膝を軽く曲げ、かかとをそろえる
- 息を吐きながら体幹を安定させ、骨盤を後ろに倒さないように保って上の膝だけを開く
ポイントは「骨盤を固定して股関節を外旋する」ことで、腰をひねって開くと狙いが外れてしまうので注意が必要です。
開く幅は小さくて構いません。
上げすぎると骨盤が後傾し、腹斜筋や腰部でごまかしやすくなります。
効いている目安は、おしりの横(大転子の少し上あたり)がじんわり熱くなる感覚です。
太ももの付け根ばかりが疲れる場合は、つま先が上を向きすぎているか、骨盤が前に倒れている可能性があります。
かかとを軽く押し合うようにし、骨盤を垂直に重ね直すと中臀筋に入りやすくなるので意識してみてください。
サイドレッグリフト|たるみやすい横尻を引き締める
サイドレッグリフトは、中臀筋をストレートに使いやすく、横尻のたるみ対策に向く種目です。
股関節の外転(脚を外に開く動き)が弱いと、歩行や片脚立ちで骨盤が落ちやすく、おしりが下がって見える要因になり得ます。
- 横向きで下の脚は軽く曲げ、上の脚は伸ばして体の延長線上に置く
- 息を吐きながら体幹を安定させる
- 上の脚を股関節からゆっくり持ち上げ、同じ軌道で下ろす
つま先は正面〜やや下向きを目安にすると、太もも前側や股関節前に入りにくくなります。
よくある崩れとしては、脚を高く上げようとして腰が横に倒れたり、骨盤が前後に揺れたりすることです。
狙いは高さではなく、骨盤を動かさずに「横尻で持ち上げる」ことです。
首や肩に力が入る場合は、上体を起こしすぎている可能性があるので、一度フォームを見直してみましょう。
フォームが安定したら、上げ下げの途中で小さく1回止めるなど、コントロールを加えるとピラティスらしい刺激になります。
ドンキーキック|おしりの上をキュッと持ち上げる
ドンキーキックは、四つばいで股関節伸展を作りやすく、大臀筋の上部を意識して「持ち上がる印象」を狙える種目です。
反り腰の方でも、肋骨と骨盤の位置関係を保てれば、腰ではなくおしりで蹴る感覚を学びやすい点がメリットです。
四つばいになり、手は肩の下、膝は股関節の下に置く
息を吐いて肋骨を締め、背骨を長く保ったまま、片膝を90度に曲げたまま後方へ持ち上げる
このとき足裏で天井を押すイメージで行う
骨盤が開いて体がねじれると、中臀筋での安定が崩れて狙いが分散してしまうので注意です。
骨盤は床と平行を保ち、動くのは股関節だけに留める意識をしましょう。
効いている目安は、おしりの上側に収縮感が出ることです。
もも裏がつりやすい場合は、膝を曲げすぎてハムストリングスが優位になっている可能性があります。
膝角度を少し浅くする/可動域を小さくすると、臀筋に入りやすくなるので、意識してみてください。
ピラティスとヒップアップのよくあるQ&A
ピラティスのヒップアップは「おしりの筋肉を大きくする」ことより、骨盤・股関節の位置と筋肉の使い方を整えてラインを上げる発想が大切です。
このQ&Aでは、ピラティスでおしりが大きく見える理由、小さく見せるための条件、マシンとマットの選び方、腰痛が出るときの見直し点を整理します。
ピラティスでおしりは大きくなる?
ピラティスだけでおしりが大きく筋肥大するケースは多くありませんが、丸みと高さが出て「大きくなったように見える」ことはあります。
ピラティスは、骨盤ニュートラルを保ちながら大臀筋・中臀筋を狙い、股関節から動くパターンを学ぶ運動です。
その結果、眠りがちな臀筋が働きやすくなり、反り腰や後傾姿勢で潰れて見えていたおしりが、本来の位置に戻って立体感が出ることがあります。
たとえばヒップリフトやショルダーブリッジで、腰を反らずに股関節伸展(おしりで押す動き)が安定すると、上部に張りが出やすくなります。
一方で、ボリュームを明確に増やしたい場合は、漸進的過負荷(少しずつ負荷を上げる考え方)を作りやすい筋トレ要素も併用するのがいいでしょう。
おしりを小さくすることはできる?
おしりを小さく見せたい場合は、体脂肪を適正化しつつ、臀筋を使える姿勢に整えることでラインが締まりやすいです。
おしりのサイズ感は、脂肪量だけでなく、骨盤の傾きや股関節の硬さで「横に広がって見える」「下に垂れて見える」影響も受けます。
ピラティスで骨盤と肋骨の位置関係が整い、腸腰筋(股関節前の深層筋)とハムストリングス(もも裏)のバランスが取りやすくなると、おしりが下がって見える要因を減らせます。
ただし、部分痩せのように「おしりだけ脂肪を落とす」ことは難しいとされ、サイズダウンは食事・日常の消費活動量・全身の体脂肪変化の影響が大きいです。
急なダイエットで筋量まで落ちると、おしりの張りが失われて形が崩れやすい点には注意が必要です。
小さくしたいから「鍛えない」のではなく、最低限の臀筋と体幹(腹横筋・骨盤底筋群)を保ち、姿勢で広がりを抑える方針が現実的でしょう。
マシンピラティスとマットピラティスどちらがおすすめ?
フォームの安定と負荷調整を重視するならマシン、習慣化と体の使い方の学習を重視するならマットが向いています。
マシン(リフォーマーなど)はスプリングで負荷を細かく変えられるため、臀筋に効かせたいのに腰や太ももで代償しやすい人でも、狙いを作りやすい傾向があります。
一方のマットは自重中心なので、骨盤ニュートラルの保持や呼吸で腹圧を作る感覚が身につきやすく、日常姿勢でも意識しやすいというメリットがあります。
ヒップアップ目的で考えている方で「腰が反りやすい」「股関節が硬い」「左右差が大きい」など課題がある場合、最初はマシンで動作学習をする選択肢もおすすめです。
反対に、すでにフォームが安定していて継続が最優先なら、週2〜3回・10〜15分でも回しやすいマット中心が続けやすいでしょう。
迷う場合は、マシンで基本を覚えつつ自宅はマットで復習するなど、役割分担すると両方の強みを活かせます。
ヒップアップメニューで腰が痛いときに見直すポイント
腰が痛いときは「腰を反らせて動いている」「可動域が大きすぎる」「腹圧が抜けている」可能性を優先して疑ってみてください。
ヒップアップ種目は股関節伸展が主役ですが、反り腰の方は腰椎伸展(腰を反る動き)で補おうとしやすく、腰部(脊柱起立筋)に負担が集中しがちです。
まず、肋骨が開いていないかを確認し、吐く息で肋骨を締めながら腹横筋(お腹の深層筋)と骨盤底筋群を軽く働かせると、骨盤が安定しやすくなります。
次に、ヒップリフトやドンキーキックは「高く上げる」ほど腰で反りやすいので、可動域を半分にし、股関節から動ける範囲だけで反復します。
加えて、膝が内に入る、骨盤が左右に揺れるなどの崩れは、臀筋ではなく太もも外側や腰で踏ん張る引き金になるので注意が必要です。
痛みが鋭い、しびれがある、日常動作にも影響する場合は中止し、医療機関や専門家に相談してみましょう。
まとめ|ピラティスでヒップアップするには姿勢とおしりの使い方が大切
ピラティスのヒップアップは、筋肉をただ鍛えるのではなく、骨盤と股関節の位置を整えながら臀筋(大臀筋・中臀筋)を狙って使える体にすることで期待できます。
座りっぱなしや反り腰・後傾姿勢などで「おしりが働きにくい状態」が続くと、太ももや腰で代償しやすく、ヒップラインが下がって見えがちです。
その点、ピラティスは呼吸で腹圧(腹横筋などのインナーの働き)を保ち、股関節主導の動きを学びながら、土台からラインを整えるのに向いているエクササイズになります。
無理のない頻度で続け、痛みが出る動きは調整しながら、姿勢とおしりの使い方を日常でも意識することが、ヒップアップにつながるでしょう。
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