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産後ピラティスはいつから?目安とメリット、自宅でできる簡単ポーズまで

「産後ピラティスはいつからできるの?」

「どんなメリットがあるの?」

産後ピラティスはさまざまなメリットがありますが、体と心の変化が大きい時期だからこそ慎重に始めたいですよね。

産後ピラティスは、普通分娩なら産後1か月健診後が目安です。

帝王切開は産後6〜8週以降に医師へ確認してから始めましょう。

この記事では、産後ピラティスを始める時期やメリット、中止の目安、自宅でできる簡単なポーズについて解説していきます。

この記事の
監修者
鈴木 直子
(すずき なおこ)

監修者(鈴木直子の顔写真)

pilates指導歴19年。
2018年マシン専門ピラティススタジオ『pilates K』を立ち上げ。
現在はpilatesK ・pilatesKsmartのトレーナーとして、 全国109店舗(25年9月時点)に在籍するインストラクター育成や、レッスン開発を担当。

産後ピラティスはいつから始める?普通分娩・帝王切開の目安

産後ピラティスの開始時期は、「産後の回復(産褥期)に無理がないか」を基準に決めると安心です。

一般的な目安はあるものの、悪露(産後の出血)や会陰・創部の痛み、睡眠不足などで回復ペースは大きく変わります。

特に帝王切開は手術後の傷の治りが関わるため、自己判断で開始時期を決めないことが大切です。

ここでは産後ピラティスを始める時期について「普通分娩」「帝王切開」「体調ベース」で説明していきます。

一般的には1か月健診以降が多い

普通分娩では、産後1か月健診で大きな問題がなければ、軽い産後ピラティスを始められる場合が多いです。

産後は子宮復古や悪露の変化など、体が妊娠前に戻ろうとする時期で、無理な運動は負担になりやすいとされています。

1か月健診は、会陰の回復や出血の状態を確認できるため、「運動を再開してよいか」を聞くよいタイミングになるでしょう。

始める際は、胸式呼吸で肋骨を動かす練習や、骨盤底筋(尿道や膣を支える筋群)を意識するようなレッスンが向いています。

たとえば1回5〜10分程度で痛みがなく呼吸が乱れない範囲なら、継続しやすく回復の妨げになりにくいでしょう。

帝王切開は特に医師・助産師に要相談

帝王切開後は、開始時期と運動内容を医師・助産師に相談してから決めることが重要です。

腹部には皮膚だけでなく筋膜まで切開が入るため、痛みが落ち着いて見えても、内部の治癒には時間がかかる傾向にあります。

早い段階で強い腹圧がかかる動きをすると、創部の痛みや違和感が出たり、回復を妨げたりすることもあります。

開始できる場合でも、最初は呼吸や姿勢の調整、股関節まわりのやさしい動きなど、創部に響きにくい内容を中心にしましょう。

創部の赤み・熱感、出血の増加、咳や起き上がりで強い痛みがあるときは、運動より先に医療者へ確認するのが安心です。

産後ピラティスは「体調が戻ってきた頃」を目安にしよう

開始時期は「何週だから大丈夫」と決めず、「日常生活が回り始めたか」を目安にするのがおすすめです。

たとえば悪露が増えにくい、歩行でふらつかない、痛み止めなしでも過ごせるといった変化は、回復のサインのひとつになるでしょう。

逆に、寝不足が続いている時期や体調の波が大きい時期は、強度を上げずに呼吸と姿勢づくりに絞るほうが負担を抑えられます。

腹直筋離開(お腹の筋肉が左右に離れた状態)が疑われるときは、自己判断で腹筋運動を増やさないようにしましょう。

インストラクターや医師に相談して確認しておくと安心です。

迷ったときは、短時間・低負荷で試して悪露や痛みが増えないか観察することで、続けやすさにもつながります。

産後ピラティスのメリットは?

産後ピラティスは、呼吸と姿勢を整えながら体幹や骨盤まわりをコントロールし、回復期でも取り組みやすい運動のひとつです。

尿もれ、腹部のゆるみ、抱っこや授乳での姿勢の崩れなど、産後に起こりやすい悩みにアプローチしやすい点がメリットといえます。

ただし効果の出方には個人差があり、痛みや強い不調がある場合は運動より先に医師・助産師へ相談することが大切です。

ここでは主なメリットと産後ならではのポイントを分かりやすく解説します。

尿もれの予防や軽減をサポートしやすい

産後ピラティスは、骨盤底筋群を呼吸と連動させて働かせるため、尿もれの予防・改善に役立ちやすいと考えられます。

妊娠・出産では骨盤底に負担がかかり、咳やくしゃみなど「腹圧が上がる瞬間」に漏れやすくなることがあります。

ピラティスは、吐く息に合わせて骨盤底をやさしく引き上げ、力みすぎない力の入れ方(出力の調整)を練習しやすいのが特徴です。

一方で、尿漏れが強い、排尿時痛がある、違和感が続く場合は、医療機関を受診する判断も必要になります。

体幹を鍛えることで、腹部の回復をサポートしやすい

ピラティスは腹直筋だけでなく、腹横筋などの深層筋を使って体幹を安定させるため、腹部の回復をサポートしやすいエクササイズです。

産後は、お腹まわりの筋肉や結合組織が伸びた状態から少しずつ戻っていく途中です。

そのため強い腹筋運動よりも、まずは体を「支える力」を思い出すように整えるほうが合っている場合があります。

呼吸で肋骨を動かしながら骨盤を安定させると、起き上がりや抱っこなどの日常動作で、腰や首に負担が集中しにくくなります。

また、腹直筋離開が疑われるときは、お腹がドーム状に盛り上がる動きを避けてインストラクターにフォームを確認してもらうと安心です。

抱っこや授乳で崩れがちな姿勢をリセットしやすい

産後ピラティスは、背骨と骨盤の位置関係を整える練習が多く、抱っこや授乳で崩れがちな姿勢のリセットに向いています。

前かがみの姿勢が続くと、肩甲骨が外に開きやすく、首・肩・背中に緊張が集まりやすい状態になります。

ピラティスで胸郭を広げる呼吸や背骨を長く保つ意識をもつことで、反り腰や猫背のクセに気づき、姿勢の微調整につながりやすいです。

レッスン中だけ整えても戻りやすいため、授乳クッションの高さや抱っこの手の位置など、生活動作の中の姿勢も一緒に見直すのがおすすめです。

リラックス効果も期待できる

ピラティスは呼吸と動きを丁寧に合わせるため、心身をリラックスさせるきっかけになることがあります。

産後は睡眠不足やホルモン変化に加え、慣れない育児で緊張が続きやすく、気づかないうちに呼吸が浅くなっている方も少なくありません。

胸式呼吸で肋骨を広げる練習は、呼吸の深さを取り戻す助けになり、短時間でも気持ちを切り替えやすくなります。

ただし、気分の落ち込みが強い・日常生活に支障がある場合は、早めに病院や相談窓口につなげることが大切です。

産後ピラティスの注意点は?

産後ピラティスは回復を後押ししやすい一方で、やり方次第では骨盤底筋群や腹部に負担がかかりやすくなります。

強度を段階的に上げること、呼吸を止めないこと、強い腹圧がかかる動きを避けることが安全面で大切です。

子宮や骨盤まわりの組織は回復途中のため、違和感は「休むサイン」と考えましょう。

ここでは産後ピラティスを始めるときの注意点や休むサインをお伝えします。

強度を上げるときは段階的に

産後の運動強度は、体調に合わせて「少しずつ上げる」ようにしましょう。

筋力や持久力は戻りが早く感じても、骨盤底や腹部を支える組織は疲れによって遅れが出ることがあります。

目安は「会話ができる程度」の負荷から始めることです。

翌日に痛みや出血が増えていないかを見ながら調整すると判断しやすいです。

負荷の上げ方で迷うときは、以下の手順を意識してみましょう。

  • まずは1回5〜10分など短時間で、呼吸とフォームが崩れない範囲にする
  • 次に同じメニューの回数を増やし、疲労感が強ければ元に戻す
  • 長いプランクなど難度の高い種目は、時期と状態を見て追加する

呼吸を止めない

呼吸を止めると腹圧が急に上がり、骨盤底筋群や腹部に負担がかかりやすくなります。

産後は「踏ん張る癖」が残りやすく、動きが小さくても無意識にいきんでしまうことがあります。

基本は胸式呼吸を意識して、力が必要なときほど息を吐きながら動くと、余計な力みを減らしやすいです。

めまい、動悸、息苦しさが出た場合は休憩し、落ち着いてから再開するようにしましょう。

強い腹圧がかかる動きは慎重に行う

産後すぐは、強い腹圧が腹直筋離開や骨盤底の不調を悪化させることがあるため、慎重に扱うことが大切です。

とくに「上体を勢いよく起こす」「長時間こらえる」といった動きは、お腹がドーム状に盛り上がりやすく注意が必要になります。

避けたいサインとしては、お腹の盛り上がりに加えて、会陰が下に押される感覚や尿もれが増える感覚などです。

回復期は呼吸と骨盤の安定を優先しつつ、可動域を小さくしてコントロールするほうがいいでしょう。

  • 慎重にしたいエクササイズ:フルシットアップ/反動のあるレッグレイズ/長いフロントプランク
  • 置き換えの例:呼吸練習/ペルビックチルト/ヒールスライド(低負荷でコントロール重視)

悪露が増える・痛みがあれば中止する

悪露が増える、痛みが強まるときは、体への負荷が大きい可能性があるため中止するのが基本です。

悪露は一般的に時間とともに減っていきます。

運動後に量が増えたり鮮血に戻ったりする場合は無理をしないことが大切です。

下腹部痛、会陰の違和感、帝王切開の創部痛、股関節や腰の鋭い痛みがある日は、ストレッチ程度に留めておくほうが安全です。

中止しても改善しない、発熱や強い出血など心配な症状がある場合は、早めに医師・助産師へ相談してみましょう。

レッスン前に伝えておきたいこと

産後ピラティスは、インストラクターと出産経過や現在の症状を共有することで、負担を避けたメニュー調整がしやすくなります。

とくに帝王切開後は創部の状態や痛みの出方に個人差があるため、医師・助産師の指示も含めて伝えることが重要です。

伝える内容は難しく考えず、「いつ産んだか」「何がつらいか」「何を避けたいか」を短く整理しておくとスムーズに伝えられるでしょう。

具体的には以下を参考にしてみてください。

  • 出産方法(普通分娩/帝王切開)と産後週数、1か月健診の結果で気になる点
  • 悪露の状況、会陰や創部の痛み、尿もれ、骨盤の重だるさの有無
  • 腹直筋離開が疑われる・指摘されたか、腹部が盛り上がりやすい動き
  • 授乳・抱っこでつらい部位(肩、手首、腰)と、避けたい姿勢や動作

安全に続けるためには、無理をせず「できる範囲」を更新していく考え方が大切です。

産後ピラティスはスタジオと自宅オンラインどっち?

産後ピラティスはスタジオでも自宅オンラインでも始められますが、回復期は骨盤底筋群や腹部に余計な腹圧をかけないことが大切です。

骨盤や背骨の位置、呼吸をその場で直せる環境かが選択の分かれ目になります。

同時に、育児中は移動や予約が負担になりやすく、レッスンの頻度が落ちると姿勢のリセットや体幹づくりが進みにくいです。

そのため時間・費用・子連れのしやすさを比べて無理の少ない手段を選ぶことが続けるコツです。

スタジオは丁寧なフォームチェックで安心感につながる

安全面を優先するなら、産後はスタジオのフォームチェックが安心につながります。

骨盤底筋群や腹部に過度な腹圧がかかっていないかを、その場で修正しやすいからです。

腹直筋離開が疑われる場合も、お腹の盛り上がりを早めに見つけてもらいやすく、エクササイズの調整ができます。

スタジオの場合は、産後向けのクラスか産後の指導経験があるインストラクターかも確認しておくと安心です。

無理なく続けられるオンラインレッスンもおすすめ

続けやすさを重視するなら、オンラインは自宅で無理なく取り組める選択肢のひとつです。

授乳や寝かしつけの合間に受けやすく、移動や準備の負担を抑えられます。

録画型なら途中で止めたり短縮したりでき、産後の睡眠不足でも調整しやすいです。

ただし痛みや悪露の増加などのサインが出た日は中止し、必要に応じて医師・助産師に相談してください。

スタジオと自宅オンラインの併用も選択肢のひとつ

スタジオとオンラインの併用は、「安全に覚えて、家で続ける」形を作りやすいです。

スタジオで呼吸や骨盤のニュートラル(中間位)を確認し、家で復習することで安定します。

月1〜2回のスタジオでのチェックと週数回の短時間オンラインなど、頻度は育児の予定に合わせて調整しやすいでしょう。

体調や家族のサポート状況が変わった場合も、オンラインを多めにするなど方法を切り替えやすい点が利点といえます。

スタジオ選びは託児・ベビーカーのルート・更衣室の使いやすさがポイント

子連れで通うなら、託児だけでなく通いやすさと設備の分かりやすさが継続の鍵になります。

到着から退室までの負担が小さいほど、産後の体調変化があっても通いやすくなります。

実際に見学や体験レッスンでは、以下のポイントを確認しておくと安心です。

  • 託児の有無、月齢制限、当日キャンセル時の扱い
  • ベビーカー置き場、入口の段差、エレベーターの有無
  • 授乳・おむつ替えスペース、更衣室やロッカーの混雑
  • 泣いた場合の対応ルール(途中退室の可否など)

細かいところまで合うスタジオほど「通うストレス」が減り、結果として運動の頻度を確保しやすくなるでしょう。

簡単にできる産後ピラティスのポーズは?やさしいマットメニュー6選

産後ピラティスは「呼吸と骨盤の位置を整える」やさしいマットメニューから始めると安心感が高まるでしょう。

回復期は骨盤底筋群と腹横筋(お腹の深層筋)を連動させ、息を止めて力まないことが重要で、1回5〜10分でも継続が姿勢と体幹の再教育につながります。

ここでは産後も始めやすいピラティスのやさしいポーズを6つお伝えします。

不安が強い場合や違和感が続く場合は、産後クラスや産後の指導経験があるインストラクターに一度フォームを見てもらうと安心です。

胸式呼吸で肋骨を動かす

胸式呼吸は、肋骨の動きを取り戻しながら腹圧をコントロールする土台になり、最初に取り組む産後ピラティスとして取り入れやすいです。

仰向けか楽な座位で、手を肋骨の左右に当て、吸う息で肋骨が横に広がり、吐く息で細く戻る感覚を確かめます。

吐く息の終わりで骨盤底筋群を「内側にそっと引き上げる」程度に働かせて、息を止めて踏ん張らないのがポイントです。

肩が上がる、首が緊張するなどの場合は吸う量が多い可能性があるため、まずは短めの呼吸を5回ほど繰り返すと整いやすくなります。

ペルビックチルト

ペルビックチルトは、骨盤の前後傾をやさしく動かしてニュートラル(中間位)を見つけやすくする基本種目です。

  1. 仰向けで膝を立てる
  2. 吐く息で尾骨を軽く丸めて腰の隙間を小さくする
  3. 吸う息で戻して腰を反らせ過ぎない位置を探す

腹部を強く押し出したり、お尻を締め過ぎたりすると腹圧が上がりやすい点に注意が必要です。

6〜10回を目安に、腰の張りや恥骨周りの痛みが出る日は中止し、呼吸だけに切り替えるほうが安全でしょう。

ヒールスライド

ヒールスライドは、骨盤を安定させたまま脚をゆっくり動かすことで、下腹(腹横筋)と骨盤底筋が一緒に働く感覚をつかみやすいメニューです。

  1. 仰向けで骨盤のニュートラルを作る
  2. 吐く息で下腹部を薄く保ちながら片脚のかかとを遠くへ滑らせる
  3. 吸う息で戻す

動作中に下腹部が山型に盛り上がる場合は腹直筋離開のサインになり得るため、可動域を小さくするか中止しましょう。

左右5回ずつから始め、腰が反る、股関節が詰まる感覚が出る場合は膝の角度を浅くして調整すると続けやすいです。

クラムシェル

クラムシェルは、中殿筋を使って骨盤を支えやすくし、抱っこや授乳で崩れがちな姿勢の土台づくりに役立ちます。

  1. 横向きで股関節と膝を軽く曲げる
  2. かかとを合わせたまま吐く息で上の膝を開く
  3. 吸う息で戻して骨盤は動かさない意識をもつ

腰が反る、上体が後ろに倒れると効きやすい場所がずれるため、みぞおちと恥骨が正面を向いている姿勢を保つのがコツです。

左右8〜12回を目安に、股関節外側が痛む日は回数を減らしたり、可動域を半分にしたりすると負担を抑えられます。

キャット&カウ

キャット&カウは、背骨のしなやかさと呼吸の連動を取り戻し、背中や腰のこわばりをほどきやすい動きです。

  1. 四つ這いで手の下に肩、膝の下に股関節をそろえる
  2. 吸う息で胸を開く
  3. 吐く息で背中を丸めて骨盤も一緒に動かす

丸めるときはお腹を強くへこませるより、吐く息で肋骨を内側へ戻し、骨盤底筋群を軽く引き上げるイメージです。

手首がつらい場合は拳をつく、前腕をつくなどに変え、6〜8呼吸で痛みなくできる範囲が目安になります。

ブリッジ

ブリッジは、臀部とハムストリングスで骨盤を支え、反り腰になりやすい産後の姿勢の調整につながりやすいです。

  1. 仰向けで膝を立てる
  2. 吐く息で骨盤底筋群と下腹部を軽く働かせながら背骨を下から順に持ち上げる
  3. 息を吸いながら肋骨の位置をキープする。吐く息で背骨を上から順におろす。

上げ過ぎて肋骨が開いたり、腰に詰まり感が出ると腹圧が上がりやすいので、肩・股関節・膝が一直線の少し手前で止めると安全です。

6〜10回を目安にしつつ、骨盤が重い感じや尿もれ、悪露の増加が出る場合は中止しましょう。

産後ピラティスの効果を高めるポイント

産後ピラティスの効果は、強度を上げることよりも正しい呼吸・骨盤底筋群・フォームで行うことが大切です。

特に産後の回復期は腹圧が上がり過ぎると腰痛や尿もれ、下腹部の盛り上がりにつながることもあるため、短時間でも質を優先しましょう。

ここでは産後ピラティスの効果を高めるポイントを4つお伝えします。

まずは呼吸と骨盤底筋をセットで整える

胸式呼吸で肋骨を動かしつつ骨盤底筋群をやさしく働かせると、腹横筋(お腹の深層筋)も連動しやすく体幹が安定してきます。

横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群は腹圧を調整するチームのため、息を止めて踏ん張ると骨盤側へ圧が逃げて不快感が出ることがあります。

仰向けで肋骨に手を当て、吐く息で肋骨を内側へ戻しながら「尿やガスを我慢する程度」に内側へ引き上げ、吸う息で力をほどきます。

抱っこで立ち上がる前やくしゃみの前に「吐く→引き上げる」を一拍入れると、日常動作でも骨盤底筋群の再教育が進みやすいです。

強く締め続けると逆に緊張が高まりやすいので、痛み・重さ感・尿もれがある場合は医師や助産師、専門家に相談すると安心です。

1回の長さより頻度を優先する

産後は1回30分より、1回5〜10分を週3〜5回のようにこまめに実施するほうが効果を感じやすいかもしれません。

ピラティスは筋力だけでなく正しい動きを学習することが大切なので、短時間でも繰り返すことで呼吸と骨盤位置の感覚を覚えやすいです。

たとえば授乳後に胸式呼吸を5呼吸、夕方にヒールスライドを左右5回など、生活の中に組み込むと継続のハードルが下がります。

眠気や疲労が強い日は「呼吸だけ」に切り替えるなど工夫することで、回復を妨げにくく、結果として継続につながるでしょう。

続けているのに悪露が増える、骨盤の重さが出る場合は回復を優先し、数日休んで様子を見ることも大切です。

ウォーキングも併用する

ウォーキングは低負荷で全身の血流を促しやすく、産後ピラティスの「姿勢づくり」を日常の歩き方に結びつける助けになります。

米国産科婦人科学会(ACOG)も、産後の運動は体調に合わせて段階的に増やす考え方を示しており、歩行は取り入れやすい選択肢のひとつです。

目安は「会話ができる強度」で、最初は10分から始め、余裕がある日は20〜30分へ伸ばすと負担を感じにくいです。

ベビーカー散歩でも、肋骨を立てて吐く息を長めにするだけで反り腰がリセットされやすく、抱っこで固まりがちな胸郭も動きやすくなります。

歩いているときに尿もれや骨盤の重さを感じる日は、無理に距離を伸ばさず、短めで切り上げるか休息に切り替えましょう。

効果を感じにくいときは「強度」より「呼吸とフォーム」の見直しを

効果が出ないと感じるときは、回数や負荷を増やす前に「呼吸が止まっていないか」「腹圧が上がり過ぎていないか」を確認することが大切です。

よくあるのは、肋骨が前に開く・骨盤が前傾して腰が反る・肩がすくむなどで、これらは体幹ではなく腰や首に負担が集まりやすくなります。

スマホで横から撮影し、骨盤ニュートラルと肋骨の位置が保てる範囲で動けているかを見ると、修正点を見つけやすいです。

下腹部のドーミング、痛み、悪露の増加、尿もれが出る場合は「エクササイズが難しい」サインになり得るため、呼吸やペルビックチルトへ戻しましょう。

不安が残る場合は産後指導経験のあるインストラクターにフォームチェックを依頼し、体調と目的に合う負荷設定を一緒に決めるのもひとつです。

自分の状態に合わせて無理なく産後ピラティスを始めよう

産後ピラティスは、開始時期と強度を回復の段階に合わせれば、負担を増やしにくく続けやすい運動です。

目安は1か月健診以降で、帝王切開の方や痛み・悪露の変化がある場合は医師や助産師に確認します。

胸式呼吸と骨盤底筋群を軸に、腹圧が上がり過ぎないフォームで短時間を積み重ねると、姿勢や体幹の回復を支えやすいです。

尿もれ、下腹部の盛り上がり(腹直筋離開のサイン)、骨盤の重い感じが出た日は強度を下げ、必要に応じて専門家の指導も検討します。

スタジオや自宅オンラインなどそれぞれの生活に合う形を選び、回復を最優先にできる範囲で続けることが大切といえるでしょう。

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